大木淳夫様
1965年東京生まれ。学習院大学卒。ぴあ株式会社メディア・プロデュース事業局チーフ・プロデューサー。日本初のプロによる唯一の実名評価本「東京最高のレストラン」編集長を2001年の創刊より務めている。 その他の編集作品に「なんでお店が儲からないのかを僕が解決する」「堀江貴文VS.鮨職人」(共に堀江貴文)、「東京とんかつ会議」(山本益博、マッキー牧元、河田剛)、「一食入魂」(小山薫堂)、「日本一江戸前鮨がわかる本」(早川光)、 「いとしの自家製」(山脇りこ)など。好きなジャンルは鮨とフレンチ。現在は、TERIYAKI「テリヤキスト」、Retty「TOP USER」、食べログ「グルメ著名人」としても活動中。2018年1月に発足した「日本ガストロノミー協会」理事も務める。
東京で大人気の「かつお食堂」とは
2018年春、渋谷のはずれにオープンした「かつお食堂」。
週二〜三日、朝九時から十二時までバーを間借りしての営業。
提供するのはご飯に山盛りの鰹節と味噌汁、玉子焼き、漬物のみ。
かようにシンプルなのですが、噂が噂を呼び、マッキー牧元さん、堀江貴文さんら名だたる食の有名人が駆け付け大ヒット。テレビやラジオでも紹介され、今では行列ができるほどです。
その人気の秘密は店主の「かつおちゃん」こと永松真衣さん。
前世はかつおだったと言い切るほどのかつお愛に溢れ、営業時間中、ひたすらかつおや鰹節がいかに素晴らしいかを熱く語り続けます。
もともとは夜な夜なパーティに明け暮れるような派手なOLでしたが、祖母の削る鰹節と出会い、激変。
日本中の鰹節の生産者を回り、この素晴らしい食材をもっと日本に、世界に広めたい!と「かつお食堂」をオープンしたのです。
鰹節は月替わりでテーマを決めて提供します。私が訪れた時は、生産者さんの食べ比べ。
枕崎、指宿、西伊豆、土佐の中からひとつを選び、削ってもらいます。
まずはそのままで、といわれて口に入れてびっくり。
削りたての鰹節とはこれほどまでに芳醇なのかと!
さらに別の生産者さんの鰹節も削ってもらい、こんなにも味の特徴が違うのかと、衝撃を受けます。
あとはテーブルの鰹醤油をかけたり、生卵をもらったりしながら、誰もが夢中で鰹節を堪能します。
BGMはかつおちゃんの弾丸トーク。
「鰹節を削るのはメンタルも大事なんです! 気持ちひとつで味も変わります!」
「鰹の歴史はマグロより全然古いんです。令和では鰹節にスターになってもらいたいんです!」
私自身すっかり影響され、今では子供たちのご飯に削りたての鰹節をどっさりのせています。
もちろん大喜びでお米の消費量もぐんとアップしました。
そしてどうも、かつお食堂の影響なのか、東京では鰹節をクローズアップしたお店が増えているように感じています。
SNS全盛の今、素材さえ良ければ、あとは表現しだいであっという間に広がるのが東京のレストランシーン。
鰹節、注目されています。
BACK NUMBER 「鰹節と私」バックナンバー
RECOMMEND 様々な料理で大活躍 カネニニシの鰹節
COLUMN カネニニシの鰹節コラム
自分で削るかつお節
一家に1つは必ずあったかつお節削り器。
かつお節パックやだしパックが普及したことで、削り器を使う機会がだんだん減ってきました。
しかし、近年「だし」にこだわる人達が増え、「自分でかつお節を削る」ことが注目されています。
かつお節は削ったその瞬間から酸化が進み、香りが弱くなり、風味が落ちていきます。
その場でかつお節を削ることで、新鮮な状態が維持できます。酸化する時間を与えないので、香り高く、味わい深い削り節に仕上がります。
さらに、好みの厚さに変えられるので、様々な料理に使う事ができます。
「削る」というひと手間が、いつもの料理をワンランクアップさせ、贅沢なおうちごはんへと導くのです。
鰹節と私『第五回』 エッセイ著者情報 |
---|
大木淳夫さん |
東京最高のレストラン編集長 1965年東京生まれ。学習院大学卒。ぴあ株式会社メディア・プロデュース事業局チーフ・プロデューサー。日本初のプロによる唯一の実名評価本「東京最高のレストラン」編集長を2001年の創刊より務めている。 その他の編集作品に「なんでお店が儲からないのかを僕が解決する」「堀江貴文VS.鮨職人」(共に堀江貴文)、「東京とんかつ会議」(山本益博、マッキー牧元、河田剛)、「一食入魂」(小山薫堂)、「日本一江戸前鮨がわかる本」(早川光)、 「いとしの自家製」(山脇りこ)など。 好きなジャンルは鮨とフレンチ。現在は、TERIYAKI「テリヤキスト」、Retty「TOP USER」、食べログ「グルメ著名人」としても活動中。2018年1月に発足した「日本ガストロノミー協会」理事も務める。 |